きょうの猫村さん ほしよりこ著きょうの猫村さん(1) ほしよりこ著 平成17年 マガジンハウスマンガ本は久々の登場。しかも新刊。このコーナーとしては珍しい展開です。 でも、買っちゃったんですもの。( ̄m ̄* )ムフッ♪ こういうの好きです。 ケーブルインターネットで大好評の、ネットマンガ。書店でももう大人気ですね。 突然、二足歩行の猫が、家政婦紹介所(?)に現れる。 「二丁目の求人広告を見た」と。 「うちが出してるのは求人広告だよ!猫に何ができるっての」 この言葉に、猫はすっくと立ち上がり、おもむろにエプロンをつけ、家事をてきぱきとこなしてゆく。まさにスーパー家政婦!! そして、家政婦「猫村さん」は、とあるお屋敷に勤めることに。 大学教授(?)の父、セレブゥな香り漂う母、そつのない大学生の息子、そしてグレてる中学生の娘。 たくましくも健気に家政婦として働く「猫村さん」。 しかし、この家庭には秘密があったのである....。 そして...そしてついに、 家政婦は見た!! ...とまぁざっとこんなあらすじです。 話の展開は、ややすさみ気味な家庭に首をつっこむ家政婦の日常ですから、もろに「昼メロ奥様ドラマ」なのです。 そんなストーリーを、もったりした重さがなく、なんともユニークなものに仕立てているのは、なんといっても主人公が「猫」であるという事実、そのものなのです! いや~、猫という「キャラ」だけで、こんなに強烈に個性を放つものになろうとは、びっくりしました。 猫キャラの性質をしっかりと把握しているのですねぇ。この著者。 すばらすいです。 ところどころに挿入される、TVドラマの内容や「猫の歴史」のお話も秀逸! こういう脱線処を、いきおいでひっぱる作者の力量、あなどれません。 それに、鉛筆描きのヘナチョコな絵は、脱力感たっぷり~(*´∇`*) こういう絵って、描きたくても描けないですよ。 ところどころに見受けられる、猫ならではのポーズや仕草が、か、かわゆいです。|_-。) ポッ もうすでにチョー有名な本書ですが、ぜひ手にとって読んでみてください。 猫好きなあなたの心を、わしづかみです。きっと。 最後に、やはり、オビのこのことばが、本書の真髄をついているといえましょう。 足音もなく 背後に忍びよる 猫家政婦。 ……可愛く見えて 油断できない 猫の本性に 戦慄します。 ---辛酸なめ子 |